受付とエントランス:内線電話を手に取る前の三十秒

受付カウンター、待合、荷物置き場、社内へ続く動線を一つの体験として計画します。無人受付の内線電話にも、名刺交換にも、お茶出しにも、バリアフリーにも応える設えです。

日本のオフィスの受付は、この十年で姿を変えました。受付係のいたカウンターは、多くの会社で内線電話とタブレットが置かれた無人の台になり、来客は自分で担当者を呼び出して待ちます。それで問題ないのは、空間がそのために設計されている場合だけです。誰もいないカウンターの脇に電話が置かれ、来客がどこで待てばよいか、本当に誰かが来るのかを迷うなら、それは小さくない問題です。丸の内や大手町の高層ビルでは、来客はまず一階の総合受付でゲストカードを受け取り、それから各社の受付に至ります。数えられるのは二つ目の受付であり、ビルが解決してくれたと思って設計から抜け落ちるのも二つ目です。そこで来客はビルのオーナーではなくその会社を初めて見ます。ロゴ、カウンター、待合、迎えに出てくる社員の所作。名刺交換の場所があり、お茶が出され、上着と荷物の置き場がある——日本の来客対応の作法は、無人受付の時代にも空間が支えなければなりません。

エントランスは、顧客、候補者、取引先の全員が目にするオフィスの唯一の部分であり、多くの場合、唯一記憶に残る部分です。したがって一つの連続として設計します。扉と最初の一瞥、カウンターまたは内線電話とタブレット、来客が迎えられる扉を見渡せる待合、雨の日のコートと出張の鞄の置き場、そして社内へ続く動線。光は冬に温かく、夏の朝にガラス扉から差し込む日差しに眩しくないこと。音環境は、声を張らずに名乗れること。素材は、梅雨の水と冬の乾いた靴底に耐え、十六時にも整って見えること。バリアフリーは付け足しではありません。法令が事務所ビルに求める要件であり、他と同じ品質で解けば、エントランスは誰にとっても良くなります。

受付とエントランスのために、貴社の来客の実際の到着の仕方に合うイタリアのカウンター、待合家具、収納を La Mercanti が組み合わせます。誰が、一日に何人来て、受付に人がいるかいないかをお知らせください。どちらの場合にも機能するエントランスを描きます。

よくある質問

ビルの一階に総合受付があるのに、自社の受付に人を置く必要はありますか。

総合受付はゲストカードを渡し、自社の受付は迎えます。二つは別の機能で、前者があるからといって後者は消えません。人を置くかどうかは、誰が何人来るかで決まります。一日二十人、その大半が顔見知りの取引先なら、内線電話とタブレット、明快な待合、迎えに出る社員で足ります。候補者、初めての顧客、配送が多い会社は、ピークの時間帯には依然として人が最も効きます。日本では、迎えに出て名刺交換をし、お茶を出すという作法が今も標準で、それには人の手が要ります。ただし、どちらを選んでも設えは受付係なしで機能しなければなりません。内線電話とタブレットは扉から見える位置に。待合は迎えに来る人から見え、空調の吹き出し口の下ではない位置に。荷物置き場は説明を要しないこと。最も多い失敗は中途半端です。一日の大半が無人のカウンターの前で、来客が誰か来るのかわからないまま立っている状態です。

無人受付の内線電話とタブレットは、どこにどう置けば来客が迷いませんか。

扉を開けた最初の一瞥の中に、案内の文言とともに置くことです。日本の無人受付でよく見るのは、廊下の脇の小さな台に電話と内線表が置かれ、来客がまず「ここでよいのか」と迷う光景です。電話とタブレットは、扉から視線が自然に落ちる場所に、名前を尋ねる前に「ようこそ」と告げる表示とともに置きます。担当者を呼び出す手順は一動作で完結し、呼び出し後にどこで待つかが目に入るように待合を配置します。担当者の携帯電話に通知が届けば、来客を待たせません。個人情報への配慮も設えの一部です。紙の来客記録簿、前の来客の名前が残る画面、カウンターに貼られた無線LANのパスワードは、受付にあってはなりません。競合他社から来た候補者は真っ先にそれに気づきます。待合から画面が読めない向きにする一つの配置が、規則よりも多くを解決します。良く設計された受付はもてなしとして、後付けの機器は不在として読まれます。

雨の日のコート、出張の鞄、傘を、受付を散らかさずにどこへ置きますか。

コート掛けを後から足すのではなく、最初から部屋の一部として荷物置き場を描くことです。梅雨と台風の季節、来客は濡れたコートと傘を持ち、出張の帰りには鞄を引いています。置くべきものは、多くの図面の想定より場所を取ります。受付の脇、扉からの最初の一瞥の外に、扉付きのロッカーか棚付きの造り付けのコート掛けを。傘立ては扉の内側、水を受ける皿付きで、来客の靴を実際に乾かすマットは扉の外ではなく内側に。長い会議の間に荷物を預かるなら鍵のかかる小さな区画を用意し、会議室に鞄を引いて入らせないこと。適切な高さのフック、傘の置き場、雨の日に靴を履き替えられる腰掛け——これらの細部が、来客が乾いて落ち着いた状態で会議に入れるかどうかを決めます。

待合はどこに置けば、来客が展示されている気分にも、隅に追いやられた気分にもなりませんか。

扉から少しずらし、壁か背の高い棚を背にし、担当者が現れる動線を見渡せる位置に、お茶と名刺を置ける小さなテーブルとともに。カウンターの真正面で全員が通り過ぎる待合は、来客を展示物にします。動線の見えない隅の待合は、扉が開くたびに来客を立ち上がらせます。二〜四脚の座り心地の良い、低すぎない椅子は、スーツの来客が避けるソファより機能します。待合の照明はカウンターより暖かく、椅子の背後の吸音パネルは二人の来客が受付全体に聞かれずに話すことを可能にします。名刺交換は立ったまま行われますから、扉と待合の間に二人が向かい合える空きを残すこと。お茶は会議室で初めて出すのではなく、待合で出せば記憶に残ります。給湯室が廊下の奥ではなく、受付の手の届く範囲にあるべき理由です。

受付をホテルのロビーではなく、この会社の一部に見せるには?

オフィス自身の素材を繰り返し、カウンターを部屋で唯一の「所作」にすることです。石と真鍮と間接照明のショールームのような受付を作った会社は、オープンフロアへの扉が開いた瞬間に来客が戸惑うことをしばしば経験します。少なくとも一つの素材と一つの色を執務エリアと会議室から繰り返し、受付が借り物のロビーではなくオフィスの「始まり」として読まれるようにします。カウンター、または内線電話とタブレットの置かれた台は、際立つ素材と明快な形に投資する唯一の場所にできます。ロゴは大きい必要はありません。扉から視線の落ちる場所にあり、夏の朝の逆光でも見えるように照らされていること。オフィスの素材で作られた受付には実用上の利点もあります。他のフロアを改装しても作り直さずに済みます。

受付の音環境はなぜそれほど重要で、なぜ忘れられがちなのですか。

来客が声を張らずに名乗れるか、受付の社員が待合に会話を聞かれずに電話に出られるかを決めるからです。受付は概してガラス・石・石膏ボードといった硬い面の部屋で、エレベーターホールへ開く扉を持ち、短い会話でさえ疲れさせる残響を持ちます。忘れられるのは、内覧のとき部屋が空で静かだからです。天井と少なくとも一面の壁の吸音材、待合の足音を吸う床材、布張りの待合家具、そしてカウンターでの会話が背後の執務エリアへ直接届かない配置で解決します。小声で話せる受付は落ち着きと専門性として、すべてが聞こえる受付はどれほど美しくても慌ただしさとして読まれます。

受付づくりの五段階:来客の到着から最初の一杯のお茶まで

受付を新設または改装する担当者と建築家に向けて。一階のゲストカードから会議室まで来客に付き添い、カウンターを選ぶ前に、人員、呼び出し、バリアフリー、荷物、待合、光を決めます。

メモを手に、来客の道のりを歩く

ビルの一階から、雨の日に鞄を引いて初めて訪れる来客として入ります。迷いが生じる点をすべて記録します。どこへ行くのか、コートはどこに、誰に名乗るのか、内線をどう使うのか、どこで待つのか、どこから迎えに来るのか。車椅子で、そして荷物を抱えた配送業者として同じ道を繰り返します。これらの点が設えの課題一覧です。同時に典型的な一週間の来客を数え、顧客、候補者、取引先、配送に分類します。数字が、受付に人を置くか、どの時間帯に置くかを決めます。

人員を決め、内線電話とタブレットを視線の落ちる場所に置く

第一ステップの数字で、有人、時間帯有人、無人のいずれかを選び、どれを選んでも人なしで機能する設えにします。内線電話とタブレット、またはカウンターは、扉からの最初の一瞥の中に、脇ではなく置きます。待合は少しずらし、来客が迎えられる扉を見渡せる位置に。扉から呼び出しまでの動線が、呼び出しから待合への動線と交差しないこと。画面は待合から読めない向きに。有人の場合、受付の社員は振り返らずに扉が見え、来客の目に入らない作業スペースをカウンターの背後に持ち、そこに湯呑みと茶器が収まること。

荷物、雨、バリアフリーを、チェックリストではなく図面で解く

荷物置き場は呼び出しの脇、最初の一瞥の外に。梅雨の一週間分のコート、鞄、傘、出張の荷物が収まる量で、長い会議に荷物を預かるなら扉付きのロッカーを。エントランス全体に水と乾いた土に耐え、日に何度も拭ける床を敷き、扉の内側に実際に靴を乾かすマットと、雨の日に靴を履き替えられる腰掛けを。段差のない通路、車椅子の回転スペース、同じ素材で作ったカウンターの低い部分、待合の椅子の脇に車椅子の場所を描きます。法令上の義務であると同時に、もてなしです。夏の朝の逆光には、ガラス扉への遮光を。

オフィスの素材で、カウンター、待合家具、照明を一式として選ぶ

カウンターまたは呼び出しの台を、日々の接触と清掃に耐える素材で、部屋で唯一の際立った所作にします。待合の椅子はスーツの来客が無理なく立ち上がれる座面高で、お茶と名刺を置ける小さなテーブルを添えます。少なくとも一つの素材と一つの色を執務エリアから繰り返し、受付がオフィスを始めるようにします。照明は二層で。冬に温かい全般照明と、待合の上の暖かい照明。ロゴは別に照らし、逆光でも見えるように。天井と少なくとも一面の壁に吸音処理を施し、待合の椅子は空調の吹き出し口を避けて置きます。給湯室、または茶器を置ける場所を受付の手の届く範囲に。

運用前に、三人の本物の来客で試す

オフィスを訪れたことのない三人を、普段どおりの会議に朝九時に招き、一階から付き添わずに観察します。どこで迷ったか、コートをどこに置いたか、内線をすぐ使えたか、待合を見つけたか、会議の前にお茶が出たか、どこから迎えに来るかわかったか。受付を本格的に使い始める前に、迷いの大きい三点を直します。日中エントランスを整えておく担当も同時に決めてください。受付は図面のようにではなく、最後の清掃のあとの姿で見られます。十六時に来た来客は、十六時に見たものでその会社を判断します。